幼稚園で働く幼稚園教諭のメリットとは?保育園との決定的な違い。

2020年10月02日
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いざ就職するとなった時に「幼稚園」と「保育園」で悩む保育学生さんは多いのではないでしょうか?
最近では「教育」と「自治体の助成金」双方の面で、良い所どりの「幼保連携型認定こども園」も候補としてあがってくるため、就職先の悩みは尽きません。

一般的な保育士・幼稚園教諭の就職サイトではあまり語られない「幼稚園」に就職するメリットをご紹介します。

 

 1.勤務時間や休日が安定している

 

幼稚園では朝の9時頃から登園が始まり、14時頃には子どもたちが降園します。

幼稚園でも預かり保育を行っている園は多いですが、朝は8時頃から、夜は16時までや18時までなど園独自のルールによって異なります。


多くの園では17時頃までとしている事が多く、利用者数も比較的少ないことが多いため、お預かりを常勤の先生たちの持ち回りで行っている幼稚園もありますが、パートなどの非常勤の先生を中心に回している幼稚園も多数あります。

パートなどの非常勤の先生がメインとなっている場合、常勤の先生の負担は少なく、夕方に翌日の保育準備や事務作業などが余裕をもって行えることが多く、17時には先生方がほとんど帰っていますという幼稚園も多く存在します。

常勤の先生がメインとなっている場合、「お預かり保育手当」といった形で基本給にプラスで手当が支給されることが多いです。

 

幼稚園によって大きく異なる部分なので、就職前に求人票をチェックしたり、必ず聞いておくと良いポイントのひとつです。

 

逆に、保育園では通常保育で朝の8時頃から受け入れが始まり、17~18時頃に子どもたちが降園します。

認可外ではない限り、基本的には「土曜日の預かり保育」や「早朝保育・延長保育」の実施を行っているため、月単位・週単位でのシフト制であることが多く勤務時間が不規則になりがちです。

共働きで保育需要が高まっているため、8時~18時までが通常の保育時間、早朝が7時から受け入れ、19時や20時頃まで延長保育を行っている保育園が一般的です。

 

また、今回の新型ウイルスでの自粛期間などでは、幼稚園の先生方は自宅で新入園児を迎える準備を行う事ができたといいます。預かり機能を停止することのできない保育園とは異なり、園独自の判断で子どもの受け入れを止めることができる、休園にすることができるのも幼稚園のメリットです。

 

 2.保護者が教育理念を理解して入園してくる

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保育園との圧倒的な違いは、教育や保育の違い以上に「保護者が園を選んで入園させている」というところです。
保育需要が高まっており、待機児童問題がでている保育園は、保護者が保育園を選んで入園させることはほぼ出来ません。通わせることの出来る範囲の保育園で、尚かつどうしても嫌だ・不安だと感じている保育園以外をすべて市役所へ申請する事がほとんどです。
保育園の保護者は、保育園の方針に最低限理解は示しますが、必ずしも保育方針に共感しているわけではありません。

 

保育園とは異なり幼稚園は通える範囲の中で、保護者が教育理念に共感している幼稚園を数ある幼稚園の中から選んで入園させます。
バス通園という選択肢もあるためこの幼稚園に本当に入りたいと思っていたり、保護者自身が子ども時代に通っていた幼稚園であることが多く、都内でも下町とよばれる東東京近辺は祖父母の代から3世代に渡って通っているということも少なくありません。

 

保護者付き合いも比較的多いと言われるのが幼稚園の先生ですが、保護者が教育方針を理解して入っているため、一定の理解を得た上で子どもと接することができるのは、大きなメリットともいえます。きちんと理解を得ることが出来れば、新人の先生であっても「子どもと一緒に成長して欲しい」と、応援してもらえる事もあります。

 

 3.私学共済に加入できる

私学共済に加入することが、幼稚園最大のメリットと感じる学生も少なくありません。
あくまで「私立幼稚園」に限定はされますが、私学共済は「私立」の教育機関でしか受けることのできない福利厚生です。
認定こども園も元は幼稚園で、学校法人だった幼稚園などが運営を行っている場合は同じく加入することができます。
この私学共済は「私立大学」「私立高校」「私立中学」「私立小学校」「私立幼稚園」で働く人のみが受けられるメリットです。

 

加入している期間に結婚をすれば「結婚手当が8万円」が支給されます。
これは一般の会社員が入る健康保険にはない手当です。

 

また、一般的な健康保険と並ぶ「私学共済」は保険の扱いになるため、必ず給与から一定額の保険料が支払われます。この保険料は給与に基づいて【標準報酬月額×保険料率】という計算で試算されるのですが、私学共済は一般的な健康保険(協会けんぽ)などと比べると比較的低い利率で設定されていることが多いです。

私学共済の保険料率は8.569%(平成31年度)になっており、同年の協会けんぽ(東京都)では9.90%です。
1%程度と思うかもしれませんが、実際に月々のイメージで計算してみましょう。

・月額報酬25万×8.569%=約2万1千
・月額報酬25万×9.90%  =約2万4千

月々3千円の差が生まれます。給与があがればあがるほど差がでてくるのが保険料率なので大切なところです。

保険料率は景気などによっても変動するものなので、最新の情報については私学共済のサイトなどで確認しましょう。

 

その他にも「出産手当金」「傷病手当金」の支給額が協会けんぽなどと比べると多く、「出産費付加金」が出産費用とは別で5万円支給されたりと将来的に受けることのできるメリットが大きいのが特徴です。

 

 

 でも、保育士と違って助成金はない‥‥?

逆に保育士の最大のメリットは自治体からの助成金・支援金と言えます。
保育士不足が叫ばれる中、待機児童の解消は現在の各自治体の急務とも言えます。
国としても、待機児童解消には力を入れているため、就職者にとって助成金や支援金の充足はとても魅力的です。

 

ただ、幼稚園教諭に対する支援金を出している自治体も探してみるとないわけではありません。


【東京都足立区】幼稚園教諭等住居借上げ支援事業・幼稚園教諭等奨学金返済支援事業
【神奈川県厚木市】厚木市幼稚園教諭助成金
【千葉県松戸市】幼稚園教諭就職支援資金貸付制度
上記のように、幼児期の教育人材の確保に力を入れている自治体もあります。

保育園にも幼稚園にも言えるのですが、注意して欲しいのがこの制度がいつまで続くかという保証はされていないという点です。自治体の財政状況や、人材の拡充、逆に少子化による人余りなどによっては、廃止となる可能性もあります。

また、助成金や支援金に対応しているかどうかは園の方針にもよります。
必ず就職前に対応可能かどうかは聞いておきましょう。入社してから実は対応していなかった!受け取れなかった!というトラブルがないようにしっかり求人には目を通し、不明点は説明会で確認を行うなど、事前調査はしっかり行いましょう。

最後に、助成金や支援金は「〇年以上勤続すること」など条件がついていることもあります。
1年以上、3年以上、5年以上、と自治体によって条件は異なります。

2017年に実施されているアンケートでは1年で保育士を辞めた学生は27.8%と、一般企業平均よりもやや高い傾向にあります。(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000016431.html
厚生労働省の調査でも、平成26年3月の大学卒業者全体の32.2%が就職後3年以内に離職しているのが実情です。(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553.html


特に「資金貸付制度」や「奨学金返済支援制度」などはこれに該当することが多く、場合によっては返済対象となるため、利用する際は条件面も必ず確認しましょう。助成金や支援金を利用しようと思っている保育学生さんは、本当にその園で長く務めることができるかどうかも見極めて、しっかり就職活動中に園比較を行うことをお勧めします。

 

 

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